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< 第十章 >



image01 「一九六七年という年は、僕にどうしようもないぬかるみを思い起こさせる。一歩足を動かすたびに靴がすっぽりと脱げてしまいそうな深く重いねばり気のあるぬかるみだ」   image02 「昼間のピクニックのかわりに我々は三人でクロス・カントリー・スキーをした。スキーをはいて一時間も山の中を歩いていると息が切れて汗だくになった」


image03 「あなたって本当に寛容なのね」   image04 「私、辛いことがあるといつもそう思うのよ。今これをやっとくとあとになって楽になるって。人生はビスケットの缶なんだって」


image05 「 僕は今年もまた大学に戻れなかった直子のことを思った。窓際にはアネモネの花をさした小さなグラスが置いてあった」   image06 「別れ際に緑は僕のコートのポケットに四つに折ったレポート用紙をつっこんだ。そして家に帰ってから読んでくれと言った」


image07 「梅雨どき特有の、風を伴わないまっすぐな雨で、それは何もかもをまんべんなく濡らしていた」   image08 「「私のヘア・スタイル好き?」「すごく良いよ」
「どれくらい良い?」と緑が訊いた。「世界中の森の木が全部倒れるくらい素晴しいよ」と僕は言った」


image09 「たぶん子供のときの記憶のせいね。デパートに連れてってもらうなんてほんのたまにしかなかったから」   image10  緑「あなたのこと話してよ」と緑が言った。
「僕のどんなこと?」
「そうねえ・・・・・・どんなものが嫌い?」
「鳥肉と性病としゃべりすぎる床屋が嫌いだ」



< 第十一章 >



image11 「そんな風に彼女のイメージは満ち潮の波のように次から次へと僕に打ち寄せ、僕の体を奇妙な場所へと押し流していった」   image12 「漁師が行ってしまったあとで、僕は高校三年のとき初めて寝たガール・フレンドのことをふと考えた」


image13 「直子は死を含んだままそこで生きつづけていた」   image14 「これみんなあなたが作ったの?こういう棚やら机やら?」


image15 「彼女は空になったセブンスターの箱を丸めて捨て、鞄の中から新しい箱をとりだし、封を切って一本加えた」   image16 「「私ってまるで人間ジューク・ボックスみたいだわ」とレイコさんは楽しそうに言った」


image17 「そしてワインの栓を抜き、縁側に座って飲んだ。(略)「これから二人で直子のお葬式をするのよ」とレイコさんは言った。「淋しくないやつを」」   image18 「少女のような薄い乳房に手をあて、乳首をやわらかく噛み、あたたかく湿ったヴァギナに指をあててゆっくりと動かした」


image19 「あなたの手紙好きよ。直子は全部焼いちゃったけれど。あんないい手紙だったのにね」   image20 「僕は今どこにいるのだ?
僕は受話器を持ったまま顔を上げ、電話ボックスのまわりをぐるりと見まわしてみた。
僕は今どこにいるのだ?」

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